メジャー側はどれほど「お買い得」なのか
各球団が獲得に使える資金(国際ボーナスプール)は12月15日にリセットされ、来年1月15日からは新シーズンで各球団が定められた資金を使うことが可能となる。そのため、獲得を狙う球団は少しでも資金を多く捻出しようと、来年1月15日以降の契約締結を目指す。
ただし、この場合でも、契約金は500万~755万ドル(約7億5000万円~11億3400万円)となる。昨季にオリックスからドジャースへ12年総額3億2500万ドル(当時のレートで約465億円)で移籍した山本由伸投手の場合、総額のうち5000万ドル(同約71億円)が契約金だったことと比較すれば、移籍市場の目玉投手の条件としては、メジャー球団がいかに割安だと踏んでいるかが想像できる。
年俸面でも、移籍1年目からメジャーに昇格可能だが、マイナーから昇格した段階でメジャーの最低保障の74万ドル(約1億1000万円)となる可能性が高い。実働3年までは年俸調停権も得られないため、低く抑えられそうだ。このことが、争奪戦に参入できるハードルを低くしている。
佐々木投手からすれば、自らの野球人生のターニングポイントをどの球団で歩み出すかを、金銭面以外の条件から見極めることにもなる。20球団以上から移籍先を選べる状況が、ウルフ氏が「逆ドラフト」と評した理由といえる。