トランプ政権が誕生するのに・・・
「2022年後半以降、韓国の大企業の最大の関心事は米中摩擦と米国の政策だった」(韓国紙デスク)
米国政府が対中強硬策を出すたびに、韓国企業の中国内工場での生産や対中輸出に影響が出た。
さらに、米国政府がEVや半導体に巨額の補助金を出したことで、韓国企業も米国での大型投資に踏み切った。
来年1月に就任するドナルド・トランプ次期米大統領の動向は、韓国政府、大企業にとって最大の関心事だった。
半導体(サムスン、SK)、EVバッテリー(LG、SK)、自動車(現代自動車)・・・韓国の財閥はすべて米国政府の関税や補助金、さらに対中政策で大きな影響を受ける。
「トランプ次期大統領は尹錫悦大統領のことをよく知らないし、検事は好きではないようだが・・・」
11月の尹錫悦大統領の記者会見で、米メディアの記者からこんな質問が出た。
これに対して尹錫悦大統領は「米議会関係者などからトランプ次期大統領とケミ(ストリー)が合うのではと言われている」などと応じて、関係構築に自信と意欲満々だった。
米国の政府、議会の動向に詳しい財閥グループ企業の役員は「トランプ次期政権がスタートするとき、韓国は事実上大統領空白だ。それどころか、政府機能がどうなっているのかの予想もつかない」と嘆く。
崔相穆(チェ・サンモク=1963年生)経済副首相兼企画財政相は非常戒厳令の宣言、解除以来、国内外の投資家、金融機関、企業関係者、韓国駐在の大使などと会って経済の安定に最善を尽くすことを説明している。
政治の空白が経済に及ぼす影響を最小限にするために、韓国銀行総裁などと協力して必死の対応を続けている。
経済官僚出身で手堅い経済副首相だが、12月3日、非常戒厳令を宣言した時の国務会議(閣議)に出席していた。
数少ない「最後まで強く反対した閣僚」(韓国紙デスク)と言われるが、この会議に出ていたことで捜査対象になる可能性はある。
辞意を表明して韓国銀行総裁などに説得されて撤回したという報道もあり、この先、どこまで経済分野での司令塔役割を果たせるかは不透明だ。