日本型長期不況に入ったのか?
短期的な成長鈍化ならなんとかなる。
最近、問題になっているのは、潜在成長率が下がり、急速に少子高齢化が進んでいることだ。さらに次の成長産業が見えない。
「日本型長期不況に入ったのではないか」
韓国メディアはしきりに警鐘を鳴らしている。こういう時に起きたのが「非常事態宣言」による混乱だ。
「すぐに工場の稼働や輸出に打撃が出るということはない。いまも通常通り操業している」
大手財閥の製造業グループ企業の役員は、こう説明しながらも付け加えた。
「良くなる兆しがなかったのに、政治リスクまで加わってしまった」
長期不況打開のためには、構造改革も不可欠だった。短期的な混乱だけを心配しているのではない。
尹錫悦政権は、年金、医療、教育、労働分野での改革を目指した。国会で野党が多数を握っていることもあって、どれ一つ手つかずで「早期退陣は必至」となった。
政治の混乱はこうした改革を遅らせる恐れがある。企業の競争力にも関係する構造問題だ。