環境負荷の少ないルートを案内
木寺:それでは、これまでのご経験についてお聞かせいただけますか?
特にAIの利活用についてのお話を伺いたいと思います。
見川:はい、もちろんです。
ヴァル研究所が最初にAIに出会ったのは、実は第2次AIブームの最中でした。
その時期、AIはまだ初期の段階にありましたが、非常に大きなポテンシャルを秘めていると感じていました。
特にエキスパートシステムは、専門知識を持つシステムとして設計されており、その名前が示す通り、特定の領域でのエキスパートであることを目指していました。
木寺: それは非常に興味深いですね。具体的にどのようなプロジェクトに関わっていたのでしょうか?
見川: 例えば、私たちは公共交通機関の乗り換え案内システム「駅すぱあと」の開発に取り組んでいます。
当初は首都圏限定でしたが、やがて全国規模での対応を目指し、鉄道だけでなくバスや飛行機の情報も統合しました。
このシステムは、最短ルートだけでなく、代替ルートの提案も行うなど、利用者のニーズに応じた柔軟な情報提供を目指しています。
木寺: AI技術の進化に伴い、「駅すぱあと」も変化してきたと思いますが、現在ではどのような機能が加わっているのでしょうか?
見川: 変わったところだと、環境に配慮した機能を追加したこともあります。例えば、CO2排出量を計算し、可能な限り環境負荷の少ないルートを選択できるような機能です。
これはSDGsの観点からも非常に重要で、技術がどのように社会貢献につながるかを示す良い例だと思います。