癒しや心のケアにも生成AIが活躍し始めた(Lisa YountによるPixabayからの画像)

自己啓発と感情サポートに劇的効果

 人工知能(AI)の進化は、私たちの社会や生活に劇的な変化をもたらしています。

 私自身もAIの最前線で活動しながら、日々その可能性や課題に直面しているのです。

 今回は、最近私が興味深く読んだハーバード・ビジネス・レビュー(Harvard Business Review)の記事を基に、生成AI(ジェネレーティブAI)が特に自己啓発や感情サポートの分野で急速に活用されている現状を詳しくお伝えしたいと思います。

 2025年現在、生成AIはすでに日常生活やビジネス環境に深く浸透しています。

 驚いたことに、この1年間で特に目覚ましい変化が見られたのは、自己啓発と感情的サポートの分野ということです。

 私はこの分野が大好きなのでいいのですが、意外に感じてしまう人も多いでしょう。

 実際、ハーバード・ビジネス・レビューが発表した最新リポート『How People Are Really Using Gen AI in 2025』によれば、生成AI利用のトップ3はすべて自己啓発関連のテーマで占められています。

 これは本当に驚きです。

 私も「マックユーザーのための目標ナビゲーション」という本を1995年に出しましたが、当時はコンピューターを使って目標設定するなど、まともな使い方だとは思われていませんでした。

 私はずっと前からコンピューターを自己啓発の道具として使ってきたので、違和感はありませんが、ビジネスユースでコンピューターを使っている人からすると、不思議な感覚なのかもしれません。

 リポートが指摘する最も人気の高い分野は「セラピーや対話」です。

 特に、遠隔地や精神医療が不足している地域では、生成AIが重要な役割を担っています。

 AIによる対話は24時間対応可能であり、非人間ゆえに評価を恐れることなく、ユーザーが本音を打ち明けられる点が支持されているのでしょう。

 この非評価的な特性が、従来のカウンセリングとは異なる大きな強みとなっています。

 答えを教えるわけではないので、コーチングに近いと言ってもいいでしょう。恥ずかしくなく本音で話せるので、より精度の高い回答が得られるのかもしれません。