新NISA対象の日本高配当株ファンド6本を比較(1)
① 日経平均高配当利回り株ファンド
日経平均株価の構成銘柄から予想配当利回り上位 30社に投資する高配当株ファンドです。新NISA対象の高配当株ファンドの中で、唯一つみたて投資枠での投資が可能です。
組入銘柄の予想配当利回りも4%を超え、分配金利回りは3.09%と高く、トータルリターンは期間3年で年20%超、5年で17.9%と、驚異的なパフォーマンスを維持しています。
ただし、「信託報酬」と「分配金健全度」が気になります。
信託報酬は、投資信託を保有している間ずっとかかる手数料ですが、年0.693%とやや高めの水準です。2023年12月16日〜2024年6月17日までの半年間の実質コストは0.35%となっています。
分配金健全度とは、普通分配金が占める割合を示したものであり、普通分配金÷分配金総額という式で計算できます。100%を切る場合、元本払戻金(特別分配金)を払っているということを意味します。つまり、投資信託の元本を取り崩して支払っているということです。
5年では84.23%となっていますから、元本払戻金がやや多いということがわかります。
とはいえ、定期的に分配金が欲しいという方なら利用価値の高い商品です。
② SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)
配当利回り水準が平均より高い銘柄を中心に投資する高配当株ファンド。企業の収益性・安定性を勘案して投資先を選んでいます。2023年12月に運用の始まったファンドなので、運用開始してから本稿執筆時点でまだ1年は経っていませんが、分配金は2024年4月140円、7月140円、10月140円と出ていて、分配金利回りは2.51%となっています。分配金健全度の実態はこれから判明するので気になるところです。
本ファンドの信託報酬は年0.099%と日本高配当株ファンドの中で最安であることから、人気が集まっていて、純資産総額は800億円間近です。
現状、販売会社がSBI証券とSBI新生銀行しかないため、投資のしづらさはありますが、SBI証券で口座を開いているユーザーにとっては利用価値の高い商品です。
③ Tracers日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)
「日経平均高配当株50指数」への連動を目指すインデックスファンドです。当該指数は日経平均株価の構成銘柄から予想配当利回り上位50社で構成されています。
本ファンドは奇数月に分配金が得られるので、年金を受け取っている人であれば、奇数月はTracers日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)からの分配金、偶数月は年金を受け取れるので、毎月収入のある状態を作り出せます。
2024年1月にできたファンドなので、運用開始してから本稿執筆時点でまだ1年は経っていませんが、分配金は2024年9月に100円出ていて、分配金利回りは0.93%となっています。分配金健全度の実態はこれから判明するので気になるところです。
信託報酬が年0.10725%と、超低コストで投資ができる点にも注目です。