
より堂々とたくましく正統派SUVらしく
スバルのフォレスターがフルモデルチェンジを受けて新しく生まれ変わりました。現在のスバルのSUVには(BEVのソルテラを除くと)フォレスターの他に、アウトバック/レヴォーグ・レイバック/クロストレック/REXがありますが、ボディサイズが1番大きいアウトバックは今後北米市場のみの供給となるそうです。これに伴い、日本仕様で全長がもっとも長いのはレイバック、全高がもっとも高いのはフォレスターという位置付けとなります。

個人的には、フォレスターは比較的オーナーの年齢層が高いモデルだと思っていました。ところが実際には54%が40歳代以下とのこと。今回のフルモデルチェンジではそんな実状も考慮しつつ、SUVとしての本質的な価値が表現できるデザインと、正統派SUVとしての性能面のさらなる進化を商品コンセプトとして掲げています。エクステリアデザインには、全体的に堂々とした佇まいとたくましい骨格が表現されました。従来型と比べてみると全長が15mm、全幅が15mmそれぞれ延長されているのは、そうしたデザインを成立させる上でも必要だったのでしょう。そして今回から、新たに19インチのタイヤ&ホイールも装着できるようになりました。インテリアは基本的に使い勝手を重視した機能的デザインのように見受けられます。

ストロングハイブリッドでもシンメトリカルAWDを実現
注目すべきはパワートレインです。クロストレックに続き、新型フォレスターにも“ストロングハイブリッド”が採用されました。“ストロングハイブリッド”は、スバルの水平対向エンジンとトヨタのハイブリッド機構であるTHSを組み合わせたユニットですが、単純にふたつをくっつけただけではなく、そこにはスバル独自のエンジニアリングに対する強いこだわりが見られます。それが“シンメトリカルAWD”と呼ばれる四輪駆動システムとの融合です。

シンメトリカルAWDは水平対向エンジンを中心に、ギヤボックスやプロペラシャフトやドライブシャフトなどが、左右対称かつ一直線にレイアウトされている点が最大の特徴です。こうすることで駆動力ロスを最小限に抑えるだけでなく、4輪にかかる荷重のバランスを整えることが可能となります。これを実現するために、スバルは少々手の込んだことをやっています。水平対向エンジンとTHSをそのまま繋げると、フロントデフに干渉してしまうことが発覚。そこでTHSの動力経路を、フロントデフを避けるようにわざわざ作り直しているのです。そこまでやらなくてもいいのにと思ってしまいますが、そこまでやらないとスバル車ではないという、エンジニアの気概が伝わってくる英断だとも感じます。なお、新型フォレスターはストロングハイブリッドを搭載した2仕様の他に、1.8Lの直噴ターボを搭載した仕様も用意されました。
