(写真:Lunagephoto/Shutterstock.com)

「新NISA」は配当金、分配金、売却益といった運用益にかかる税金20.315%が一生涯ゼロになる制度です。この「一生涯非課税」というメリットに注目が集まり、人気を集めているのが「高配当株」です。

 高配当株は相応にリスクがありますが、定期的に配当金を受け取りつつ、将来値上がり益も期待できる資産です。

 損失リスクを下げるためには分散投資が必要ですが、高配当株に1本で手軽に分散投資ができるのが「日本高配当株ファンド」です。

 今回は、新NISA対象の「日本高配当株ファンド」を比較していきます。

(頼藤 太希:Money&You代表取締役/マネーコンサルタント)

そもそも「配当」「配当利回り」「増配」ってなに?

 配当金は、株主に支払われる会社の利益の一部です。配当金を支払うことを「配当」といいます。原則、企業の最終的な儲けである「当期純利益」から支払われます。

 配当金は、日本株の場合は年に1~2回、米国の場合は年に4回もらえるのが一般的です。

 配当金は1株保有でも受け取ることができ、保有株式数に応じて分配されます。

 株価に占める配当金の割合のことを「配当利回り」といいます。配当利回りの計算式は「年間配当金÷株価×100(%)」。配当利回りが高いほど、少ない投資金額でもらえる配当金の金額が多いことを表します。

 配当利回りが高い銘柄を「高配当株」といいます。厳密な定義はないのですが、おおよそ3%を超えると高配当株と呼ばれます。

 また、企業は業績好調なときなどに配当金を増やす「増配」を行うことがあります。継続的に業績好調な場合は、連続で増配を繰り返すので、株価が安いうちに購入し、長期保有できれば、毎年10%以上の配当金がもらえるお宝銘柄になることも夢ではありません。

配当利回りの高さだけで飛びつくのは危険!

 配当利回りの計算式は「年間予想配当金÷株価×100」でした。

 計算式の中に株価が入っています。つまり、配当利回りが高い銘柄の中には、株価が下がって配当利回りが高くなっている、不人気な銘柄や業績の悪化した銘柄が入っている可能性があるのです。配当利回りだけ見て高配当株に飛びつくと、資産を減らしてしまいかねません。

 よって、高配当株に投資する場合は、通常の個別株投資と同じく、業績は好調なのか、今後も見通しはどうなのか、財務に問題はないのかなどを必ず確認しましょう。

 そうした分析をしていても、将来起こるかもしれない、減配や株価下落のリスクをなくすことはできません。

 リスクを下げるには、10銘柄から20銘柄に分散して投資することが大切です。

 好業績で財務に問題のない高配当株を、10銘柄から20銘柄選んで投資する、とひとことでいえば簡単そうですが、実際に選ぶのは大変ですよね。

 そこで利用したいのが、高配当株に分散投資している「高配当株ファンド」です。

「高配当株ETF」という選択もありますが、投資信託(ファンド)だと、100円以上1円単位で、毎月積み立てしやすいのが便利です。