日経平均株価は春に4万円を超えた後、足踏みが続く(写真:AP/アフロ)

新NISAで投資信託や株式の値上がり益を期待するだけではなく、安定した配当金も得たいと考えている個人投資家も少なくないでしょう。長期で資産形成を目指す場合、配当金は再投資していくのが王道ですが、お金は人生を豊かにするために使うもの。「使いつつ増やしたい」というニーズを満たすには、「高配当株」を活用するのも一つの手法です。今回は、高配当株の選び方をご紹介します。(JBpress)

(頼藤 太希:Money&You代表取締役/マネーコンサルタント)

 老後など将来に向けてまとまった資産を築くならば、定期的に配当や分配金をもらうよりも、複利効果(再投資効果)を味方につける運用が向いています。株式や投資信託に積立・分散投資を行い、値上がり益(評価益)、配当金、分配金があれば再投資し、時間をかけて資産を築いていくのが王道の資産形成法です。

 新NISAでは、配当金や分配金の再投資の際に、投資枠を消費してしまうので、効率よく資産形成する目線では、配当金や分配金のない資産(あっても少ない資産)に投資した方がベターです。

 そして、配当金や分配金を再投資する際、「新NISAの非課税枠を消費する」という点は意外と盲点になっていますので、覚えておきましょう。

 ただし、お金は使うために存在するのであり、人生を豊かにするためにお金を使っていくことも重要なテーマです。そんな時に、資産の一部を売却して使うというのは心理的にハードルがあります。売却タイミングによっては損する可能性もあります。そのまま使わずにいればもっと増えるのに…と思うと使いづらいということもあるでしょう。

 よって、資産形成期である現役時代においても、資産取り崩し期である老後においても、使いつつ増やせる資産として「高配当株」を活用するのが一つの手です。

 現役時代は、生活を豊かにするために配当金を使っても良いし再投資に回しても良い。値上がり益を取り崩すよりも心理的に使いやすいでしょう。定年後の生活では、年金収入の上乗せとして安定的に不労所得を得られれば、心の安定につながります。

 今回は、新NISAを活用して、資産形成期も資産取り崩し期も、一生持ち続ける高配当株の選び方をご紹介します。