お金の専門家が選んだ「高配当株」4選

 ここまでの条件を踏まえて、スクリーニングしていきます。

 その上で、優待品、優待割引、優待特典など株主優待も合わせて、投資候補を絞っていくのがおすすめです。金額換算できない優待の場合でも、優待割引には注目したいところです。

 インフレで家計が苦しい状況が続いているなか、3〜5割引で商品やサービスを購入・利用できれば、それだけで節約に役立ちます。優待内容によっては、投資金額の元が簡単に取れてしまうこともあります。

 スクリーニング例としては、NTT、KDDI、豊田通商、三菱HCキャピタルなどが挙げられます。以下の数値はいずれも2024年6月25日時点。

●豊田通商 [8015]
【権利確定月】3月
【株価】9538.0円
【予想配当利回り】3.15%(予想配当金:300円)
【優待内容】無し
【優待利回り】--%
【配当+優待利回り】3.15%
【予想PER】9.6
【PBR】1.36

●三菱HCキャピタル [8593]
【権利確定月】3月、9月
【株価】1039.0円
【予想配当利回り】3.85%(予想配当金:40円)
【優待内容】無し
【優待利回り】--%
【配当+優待利回り】3.85%
【予想PER】11.0
【PBR】0.88

●日本電信電話(NTT)[9432]
【権利確定月】3月
【株価】150.9円
【予想配当利回り】3.45%(予想配当金:5.2円)
【優待内容】100株以上保有、2年以上継続保有で1500ポイント
【優待利回り】9.94%
【配当+優待利回り】13.39%
【予想PER】11.5
【PBR】1.29

●KDDI [9433]
【権利確定月】3月
【株価】4260円
【予想配当利回り】3.40%(予想配当金:145円)
【優待内容】100株以上保有、1年以上継続保有で2000円相当
【優待利回り】0.47%
【配当+優待利回り】3.87%
【予想PER】12.9
【PBR】1.69

 資産形成期である現役時代においても、資産取り崩し期である老後においても、使いつつ増やせる資産として「高配当株」に投資するのもひとつの考え方としてありではないでしょうか。皆様の投資行動の参考になれば幸いです。

※本記事で紹介した個別銘柄については、あくまでも参考として申し述べたものです。投資の最終決定は各自の責任でお願いいたします。

頼藤 太希(よりふじ・たいき) (株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し、現職へ。女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』やYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、資産運用・年金・税金・家計管理などに関する書籍の執筆・監修、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。最近の著作に『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』『はじめての新NISA&iDeCo』『定年後ずっと困らないお金の話』など。著書累計150万部超。