イスラエルのイランへの報復攻撃を受けて、日経平均は一時1300円超下落した(写真:AP/アフロ)

「つみたて王子」こと、なかのアセットマネジメント社長・中野晴啓氏による連載「中野晴啓の正しい投資」。イスラエルがイランに報復攻撃をした4月19日、日経平均株価は一時1300円以上値下がりし、今年最大の下げ幅となった。3月には4万円台の大台に乗っていたが、3万7000円を割り込む場面もあった。新NISAで資産運用を始めた投資初心者は、どのように動揺を克服し、危機を乗り切っていったらいいのか。(JBpress)

(中野晴啓:なかのアセットマネジメント社長)

 前回の澤上篤人さんとの対談記事は、今でも大きな反響をいただいております。「大暴落」という見出しが目を引いたのでしょう。実際、一時4万円の大台に乗った日経平均株価は、あれよあれよという間に下落し、4月19日には一時、前日終値と比べて1300円以上も急落して3万7000円台を割り込みました。

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 米国のハイテク株の値下がりに引きずられていたところに、イスラエルがイランに報復攻撃を仕掛けたという報道が駆け巡り、一気に下げ幅を拡大したのです。

 そこで気になるのが、今年1月からスタートした新NISAをきっかけに資産運用をはじめた投資初心者の方々の心情です。

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 年初からの約3カ月間、日本株は右肩上がりに上昇してきました。私は、その勢いは急すぎると危うさを感じていましたが、新NISAで資産運用を始めた方々は幸先のいいスタートに、さぞ喜んでいたことでしょう。

 日本株だけではありません。米国株もエヌビディアやマイクロソフト、グーグルの親会社であるアルファベットなどAI(人工知能)で先行する半導体・巨大IT銘柄が相場を牽引していました。

 新NISAがスタートして3カ月が過ぎ、初心者もそろそろ慣れてきたかと思われる矢先の相場の急落。SNSでは動揺を隠せない個人投資家のコメントも見られます。

 しかし、こうしたマーケットの急変は、いつ、何をきっかけに起こるか、プロでも予測することが難しいのです。これまでの連載でも繰り返し述べてきましたが、資産運用で大切なことは、長期・積立・分散投資です。短期的な激変でも慌てずに、長期の視点を維持して投資を続けることが欠かせません。

 今回は、株式市場の大幅な下落を受けて、改めてショックを乗り切る心構えについて整理したいと思います。