いまこそゴールド?(写真:simon jhuan/Shutterstock)

 2024年の新NISA開始から順調に株価上昇を続けてきたマーケットに、2024年8月初めての試練が訪れました。日経平均株価が暴落し、8月1日(前日比975円安)、2日(前日比2216円安)、5日(前日比4451円安)、3日間で7642円も下落しました。その結果、8月5日終値が3万1458円となりました。

 2023年末終値が3万3464円なので、わずか3日間で2024年の値上がり分が一気になくなり、マイナスに転じたということです。

 日本株暴落の間、米国株も下落しており、ドル円も一気に10円ほど円高が進みました。新NISAを機に投資をはじめた多くの人が、投資資産の大幅下落を経験したことでしょう。

 本稿執筆時点(2024年8月30日)では、株式市場は落ち着きを取り戻しています。暴落を経験した今こそ、今後の新たな暴落や下落相場に備えて、資産ポートフォリオに組み入れたいのが金(ゴールド)です。

 今回は、金が暴落時に強い傾向があることや、投資方法をご紹介します。

(頼藤 太希:Money&You代表取締役/マネーコンサルタント)

金(ゴールド)はなぜ有事や暴落に強いのか

 まずは金価格の推移を、金価格の値動きに連動するETF(上場投資信託)の「SPDRゴールド・シェア」(GLD)で確認していきます。

<GLDの日次データ推移(2007年1月〜2024年8月29日)>

図:(株)Money&You作成
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 実は金価格も株式相場に大きなショックが起こると、一時的に下落していることがわかります。しかし、下がった後すぐに上昇に転じていることもわかりますね。

 この理由は、リスク回避のために投資家が、株などリスク資産を売って金への投資を増やすからです。

 では、なぜ金が買われるのかですが、金の価値は日本のみならず世界中で普遍であり、価値がゼロになることは考えにくい実物資産であることや、株価暴落が起きたら金価格が上昇しやすい傾向にある性質を投資家が認識しているからだと思われます。

 米国株価指数「S&P500」を加えて動きを見てみましょう。次のページのグラフは、2007年1月3日時点を「100」として指数化しています。