日経平均は4月19日に急落したがその後は回復に転じた(写真:AP/アフロ)

 日経平均株価は34年ぶりに史上最高値を更新し、4万円を突破したのも束の間、イスラエルとイランの対立による地政学リスクの顕在化、日銀から追加利上げを検討する発言が出るなど複数の要因が重なり、日経平均株価は急落しました。

 終値ベースで4月19日には前日から1011円下落し3万7068円となり、4月12日の3万9523円から1週間で2455円下落しました。

 これから下落相場になるかと思いきや、本稿執筆時点の4月24日の終値は3万8460円と、前日の3万7552円から907円の上げ幅となりました。

 このところ、株式相場は上下に激しく動いています。上がる分には問題はないですが、急激に下がると不安になるのが、投資家心理です。2024年から新NISAで投資を始めたばかりの投資初心者にとっては不安でいっぱいでしょう。今回は、暴落に備える心構えと対策をお伝えします。

(頼藤 太希:Money&You代表取締役/マネーコンサルタント)

暴落しても運用を継続できる「資産額」「投資額」か再確認

 まずは、ご自身のポートフォリオの中で、無リスク資産(現預金・個人向け国債)とリスク資産(株式・投資信託など)の割合を確認しましょう。

 リスク許容度(いくらまで損に耐えられるかの度合い)は人によって異なるので、あくまで参考情報ですが、無リスク資産とリスク資産の割合に関しては、「自分の年齢」と「120から自分の年齢を引いた数字」を対応させるのがひとつの目安です。

 例えば、自分の年齢が40歳であれば、無リスク資産:リスク資産の割合は40:80くらいの割合で持っておくとよいでしょう。

 資産が1200万円あれば、無リスク資産は1200万円×40/120=400万円、リスク資産は1200万円×80/120=800万円という感じです。

 なお、一般的に言われている「120-年齢」の法則は、算出される数字を株式の比率とするものです。例えば、40歳ならば、80%を株式に配分し、20%を債券など残りの資産に配分です。預貯金などの無リスク資産はこの法則とは別で考えるというもので、使いやすいのか、使いにくいのか微妙です。

 先に示した無リスク資産とリスク資産の割合の目安は、筆者が使いやすくアレンジを加えたものです。

頼藤 太希(よりふじ・たいき) (株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し、現職へ。女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』やYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、資産運用・年金・税金・家計管理などに関する書籍の執筆・監修、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。最近の著作に『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』『はじめての新NISA&iDeCo』『定年後ずっと困らないお金の話』など。著書累計150万部超。

 ただ、総資産が120万円の場合、無リスク資産40万円、リスク資産80万円でも良いということになってしまい、無リスク資産40万円ではケガや病気で働けないなどのもしもの場合に備えられません。よって、最低でも生活費の6カ月から1年分の150万〜300万円は預貯金などの無リスク資産で持っておきたいところです。

 大幅にアップグレードされた新NISAとはいえ、万能ではなく、元本割れの可能性はゼロにはできません。

 日々の生活のためや5〜10年以内に訪れるようなライフイベントに備える目的ならば、NISAを活用するよりは、元本割れしにくく、少しでもお金を増やせる金融商品が適しています。例えば、定期預金や個人向け国債などが候補になります。

 ご自身の資産状況をチェックしてみた結果、リスク資産の比率が高いのであれば、無リスク資産の比率を高めるようにしましょう。毎月の積立金額が投資資産に多く回りすぎているならば、預貯金など無リスク資産の積立金額を増やすことも考えましょう。