暴落は安く買い付けできるチャンス、積立投資の継続は必須

 市場が将来的に値上がりする可能性が高いならば、時間をかけて積み立てで行うよりも、とにかく早く一括投資した方が合理的です。

 しかし、一括投資の場合、暴落が起きたら市場の回復をただ待つことしかできませんが、このような暴落をチャンスに変えながら、資産形成できるのが積立投資です。

 積立投資のメリットは、マーケットの動きに翻弄されずに、「ドルコスト平均法」の効果を味方につけながら資産を築けることです。

 ドルコスト平均法とは、定期的に一定額ずつ購入する方法です。金融商品の価格は日々上下に変動しますが、金融商品の価格が安いときにはたくさん購入し、価格が高いときには少しだけ購入することになります。これにより、自然と平均購入単価が下がり、価格が上昇したときに利益を得やすくできます。これがドルコスト平均法の効果です。

 米国株式市場は今後も拡大していく可能性が高い理由はいくつかあります。

 米国のGDP(国内総生産)は世界トップであり、先進国の中で唯一、人口が増加している国です。2024年現在およそ3.4億人いますが、2050年には3.8億人になると推計されています。人口が増えると、消費が拡大し、生産が拡大し、経済が拡大するという好循環が得られます。

 国だけでなく、株式市場としての魅力度が高い点も挙げられます。世界を牽引する成長企業が多く、大企業にもかかわらず将来への投資も積極的で、高い成長力を保ち続けています。また、実力主義の米国では、世界中からプロ経営者が集まり、ビジネスを拡大させています。

 岡三証券のレポート「外国株式投資の魅力」によれば、世界株式市場に占める米国株式市場の割合は、2024年3月末時点で47.2%となっています。世界中から投資マネーが集まることで米国企業が成長していきます。

 米国株式市場と同様に世界株式市場も今後も拡大していく可能性が高いでしょう。

 世界の人口は80億人を突破し、2058年には100億人になると推計されています。20年、30年、40年先といった将来を考えると、今よりも経済が大きく拡大し、今よりも株価が上昇している可能性が高いでしょう。

 米国株式市場をはじめとする世界株式市場が一時的に値下がりしていても、ドルコスト平均法を生かして積立投資を続けていれば、株価上昇に転じた際に利益を出しやすくなる、というわけです。

 積立投資は下落相場や暴落をチャンスに変えることができる投資方法です。

 暴落が起こってから回復するまでの期間は淡々と積立投資を継続していきましょう。