投資スタイルに合わせて選ぼう

 新NISAで効率よく資産形成する場合は、配当金や分配金のない資産(あっても少ない資産)に投資した方がベターです。

 しかし、お金は使うために存在するのであり、人生を豊かにするためにお金を使っていくことは重要なテーマです。

 そんな時に、資産の一部を売却して使うというのは心理的なハードルがあります。売却せずにいればもっと増えるのに…と思うと取り崩しづらいということもあるでしょう。

 よって、資産形成期である現役時代においても、資産取り崩し期である老後においても、使いつつ増やせる資産として「高配当株」を活用するのが一つの手です。

 定期的にキャッシュフローを得たい人にとっては、分配金利回りが高いファンドは魅力的です。その際に注目して欲しいのは「信託報酬」と「分配金健全度」です。

 長期保有が前提であると、信託報酬は結構大きな金額になります。もちろん、高い信託報酬を払ったとしても、それを上回るパフォーマンスを安定して出せるのであれば問題ないかもしれません。

「分配金健全度」は、元本を取り崩して分配金利回りの高さを演出しているのかどうかがわかる指標といえます。高い手数料を払って、元本を取り崩していることをどう捉えるかです。

 今回の情報がみなさんの投資行動の参考になれば幸いです。

※本記事で紹介した個別銘柄については、あくまでも参考として申し述べたものです。投資の最終決定は各自の責任でお願いいたします。

頼藤 太希(よりふじ・たいき) (株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し、現職へ。女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』やYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、資産運用・年金・税金・家計管理などに関する書籍の執筆・監修、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。最近の著作に『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』『はじめての新NISA&iDeCo』『定年後ずっと困らないお金の話』など。著書累計170万部超。