新NISA対象の日本高配当株ファンド6本を比較(2)
④ 日本好配当リバランスオープンⅡ
日経平均株価の構成銘柄から予想配当利回り上位70社に投資する高配当株ファンド。分配金利回りが高い傾向にあるのが特徴です。実はこのファンドは「日本好配当リバランスオープン」の後継ファンドです。「日本好配当リバランスオープン」の分配金利回りの高さから人気が出過ぎて、資金流入が一気に進んでしまったためです。
「日本好配当リバランスオープン」の過去の分配金情報を見ると、2017 年・2018年・2023年・2024年の1月決算時に1000円台の分配金を出しています。分配金健全度は、3年98.79%、5年94.48%、10年96.24%と元本払戻金がほとんどありません。
「日本好配当リバランスオープン」は、「純資産規模を運用可能な適正範囲に維持するため」に2024年2月7日をもって新規購入申し込みを一時停止しています。
その後継ファンドとして、「日本好配当リバランスオープンⅡ」が3月に新規設定されました。
本ファンドで気になる点は「信託報酬」と「信託期間」。
信託報酬は、年0.913%と、「日経平均高配当利回り株ファンド」よりも高い水準です。
償還日が2045年3月7日となっています。新NISAで一生涯非課税の保有ができる制度であることを踏まえると、途中で運用が終わってしまうのは残念です。
⑤ フィデリティ・日本配当成長株・ファンド(分配重視型)
予想配当利回りが市場平均以上の銘柄の中から投資価値の高い銘柄を厳選して投資する高配当株ファンドです。分配金利回りが高い傾向にあるのが特徴です。分配金は2024年1月400円、4月80円、7月950円、10月85円と出ていて、分配利回りは12.06%となっています。
ただし、分配金健全度を見ると、元本払戻金がやや多い状況です。長期保有を前提とすると、信託報酬が年1.188%と高いのがネックです。
⑥ 日本好配当株投信
予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄の中から銘柄分散・業種分散を勘案して投資する高配当株ファンドです。分配金利回りが高い傾向にあるのが特徴です。
組入銘柄数が118と、今回比較している6本のなかでもっとも多くなっています。分配金は2024年1月700円、4月100円、7月950円、10月100円と出ていて、分配金利回りは10.94%となっています。
分配金健全度の5年と10年を見ると元本払戻金がほとんどないのがわかりますが、3年が74.17%となっているのが気になります。長期保有を前提とすると、信託報酬が年1.21%と高いのがネックです。
信託報酬が同水準の「フィデリティ・日本配当成長株・ファンド(分配重視型)」と比べて、分配金利回りは見劣りしますが、トータルリターンと分配金健全度の点では有利です。
どちらか迷っているならば、本ファンドを選んだ方がベターでしょう。