アンネ・フランクからも慕われた

 1929年生まれのアンネ・フランクもエリザベス王女(当時)を慕った一人だ。

 アンネは女王より3歳年下だった。アンネは13歳の誕生日に父親から日記帳を贈られた。日記を書き始めてから1カ月後、アンネと姉、両親の一家4人はアムステルダム中心部の小さな屋根裏部屋に身を隠した。

 アンネは父親が自宅から持ち出してきたポストカードや銀幕のスターのブロマイドを姉と同じ寝室の壁に飾り付けた。その中にアンネの希望の象徴だったエリザベス王女とマーガレット王女のシロクロ写真もあった。英国は自由であり、2人の王女は自由の象徴だった。

アンネ・フランク(撮影者不詳; Collectie Anne Frank Stichting Amsterdam, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で)
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 隠れ家生活が2年近くに及んだ44年4月21日、アンネは「今日はエリザベス王女の18歳の誕生日です。どの王子がエリザベス王女と結婚するのでしょう。適当な候補が思いつきません。妹のマーガレット王女にはベルギーのボードゥアン皇太子がいいかも!」と日記に綴っている。