(つげ のり子:放送作家)
皇族の「就職先」は公のために尽くす在り方と合致
人生には、ここ一番の頑張り時があるものだ。大学受験に資格試験、スポーツ選手なら上位大会への進出をかけた、乾坤一擲の試合もそうだ。また男性ならば、お付き合いする女性へのプロポーズは、人生でもっとも頑張る瞬間だと言えるのではないだろうか。もちろんその逆も然りだ。
ことほどさように、頑張り時は人それぞれではあるが、そのことを尋ねられれば、誰しもひとつやふたつ心当たりがあるはずだ。
実は、私たちがよく知る皇室の一員の中にも、今現在、おそらく人生でもっとも頑張っている方がいらっしゃる。あの麗しきプリンセス、秋篠宮家の次女・佳子さまである。
では何を頑張っていらっしゃるのかというと、皇族方の半ば義務のようになっている公のお仕事、いわゆるご公務である。
皇族方は、一般庶民のように民間企業に正社員として就職し、フルタイムで働かれることはない。ただし高円宮家の長女・承子さまは「日本ユニセフ協会」に常勤で勤められているが、嘱託という立場である。
大学を卒業されると、なんらかのお仕事に就きはするが、当然ながら、営業のノルマを課せられたり、経理ソフトを相手にパソコンに数字を打ち込んだりすることはない。
例えば、上皇ご夫妻の長女・黒田清子さんは学習院大学を卒業された後、「山階鳥類研究所」の非常勤研究助手として勤務し、嫁がれた小室眞子さんも独身の間は「東大総合研究博物館」の特任研究員であった。
「山科鳥類研究所」も「東大総合研究博物館」も、アカデミックな研究機関であり、民間企業のように利潤を追求する分野ではないところが、公のために尽くすという皇室の在り方と合致するのだろう。