例年であれば8月も下旬になれば秋風が吹き、最高気温も30度前後となり、過ごしやすい気候になるのだが、今年は一度最高気温が下がって9月6日ころから再び上昇し、西日本を中心に、熱中症警戒アラートが連日、発出されるようになった。

 NPBの公式戦は、9月に入ればデーゲームが増えていく。屋外球場でも過ごしやすくなるからだ。しかし今年は9月になっても高温の日が続き「残暑」が「酷暑」になったのだ。

9月になった途端にガクッと調子を落とした広島投手陣

 8月中旬まで、巨人、阪神、DeNAと熾烈なペナント争いをしていた広島東洋カープがその後、急失速したのは、この「残酷暑」と関連しているのではないだろうか?

 今季の広島、月次のホームゲームの成績と1試合当たりの得失点を見てみよう。

3、4月 5勝4敗2分   2.8得点/2.0失点
5月  8勝6敗1分  3.5得点/2.5失点
6月  7勝2敗   3.3得点/1.6失点
7月  5勝3敗   3.0得点/2.8失点
8月  8勝3敗   3.7得点/2.6失点
9月  5勝11敗    2.8得点/4.8失点

 NPBは全般的に「投高打低」だ。広島の1試合当たりの得点も大きいとは言えないが、8月まではそれを下回る失点だった。投手陣は優秀だったのだ。

 ロードでは負け越した月もあったが、ホームでの「貯金」で損失補填して上位をキープしてきた。

 しかし9月は、5勝11敗と大きく負け越し。得失点も大きくマイナスに転じた。失点は5点近くにまで落ちた。この失点を跳ね返すような打力は今の広島にはない。

 その結果として9月4日には首位だったのが、28日時点では「借金1」で4位に沈んでいる。