観客にも耐えがたい暑さ

 プロ野球チームは、ナイトゲームがあるときは、午後には守備練習、打撃練習をグラウンドで行う。

 真夏であっても日中から選手たちは身体を動かす。午後の厳しい日差しの中でも、選手たちはバットを振り、ボールを追いかける。長いシーズン、コンディションを維持するためには、不断の練習が必要なのだ。またこの練習は「暑熱順化」でもあるのだろう。

 しかし炎天下での練習は選手の体力を確実に消耗させる。ベテラン選手は打撃練習だけで屋内に下がることも多いし、投手陣は一般的に室内のブルペンで調整する。

 ドーム球場では、練習時間も快適に体を動かすことができるし、ベテランでも納得いくまでトレーニングすることができる。

 猛暑にさらされながら練習する屋外球場を本拠とするチームの選手と、ドーム球場を本拠とする選手では、疲労度、消耗度に大きな差が出てくるのではないか。

 マツダスタジアム内野上段の自由席は18時のプレーボールでも、15時に開場する。この時間帯は相手チームの選手が練習しているが、夏は大変に過酷に見える。この球場はホームベースを西として東西の方向に建てられている。太陽は外野の方向から上って、日中いっぱい球場を照らし続ける。屋根がある一塁側の上段席を除いて、真夏は強烈な日光にさらされる。

午後3時のマツダスタジアム(筆者撮影)
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