もはや無視できない野外球場とドーム球場の条件差

 プロ野球は7月以降、ナイトゲームが中心となる。特に屋外球場ではデーゲームは観客にとって耐えがたい暑さとなるため、18時からの試合が標準になる。

 筆者は今年もプロ野球の公式戦を60試合ほど見たが、最近は夜間でも30度を下回らない熱帯夜が続くようになり、ナイトゲームでも暑さと湿気でそうとうに厳しいと感じた。

 その点、ドーム球場は空調が効いている。半屋外の西武本拠地のベルーナ・ドームを除くドーム球場はまことに快適だ。屋外球場との「環境格差」は開きつつあると感じた。

 ナイトゲームが基本の屋外球場だが、イベント併催の都合で、午後の時間帯に試合が始まるケースが少数ながらある。

 7月21日、神戸市のほっともっとフィールド神戸で行われたオリックス-楽天戦は、試合後に「花火大会」を行うために、午後4時にプレーボールとなった。この日の神戸市の最高気温は33.4度。兵庫県全域に熱中症警戒アラートが発表されていた。

ほっともっとフィールド(筆者撮影)
拡大画像表示

 グラウンドには強烈な直射日光が照りつけていたが、この日、プロ入り初先発となったオリックスの佐藤一磨は投球練習からストライクが入らず、1回表に3被安打、1与四球、2回途中50球で降板した。野球どころではない印象だった。

 いかに「暑熱順化」していたとしても、昨今の猛暑はそれで乗り切れるような生易しいものではなかった。

 今年の猛暑は、単に気温が高いだけではなく、湿度が高かった。さらにその高い最高気温が延々と続いたのが特徴だ。