「斎藤詭弁」への完膚なき論破

 渡瀬「エイプリルフール反論」は過不足なく、斎藤知事の嘘や詭弁をすべて論破しています。その「課題整理」を、渡瀬さんが準備した通りに引用してみます。

斎藤①:当該者につきましては、県民局長としてふさわしくない行為をしたということ、そして本人もそのことを認めている・・・。

渡瀬証言:「ふさわしくない行為をしたと認めた」事実はありません。

 そりゃそうでしょう。「認めた」と報告しているのは、補助金疑惑の主犯でもある片山副知事たった一人だけなのだから。そんなもの、信用する人は共犯者などごく少数に限られる。

斎藤②:本人も認めていますが、事実無根の内容が多々含まれている内容の文章を、職務中に、職場のPCを使って作成した・・・。

渡瀬証言:認めていません。

 ここ、8月に入って斎藤知事の口ぶりが微妙に変化した部分ですが、3月27日時点でははっきり「本人が認めた」を連呼しています。

斎藤③:職員等の信用失墜、名誉棄損など法的な課題がすごくある

渡瀬証言:私はこの文書について、名誉棄損の要件である「公然と事実などを適示」しておらず、同様の意味で職員の信用を失墜させていません。

 法源を示しておきます。 

刑法第230条(名誉棄損罪)

公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。

 渡瀬氏は10人ほどの県議会議員や報道関係者に、内々に文書を送付しただけで、「公然と事実を適示」していません。

 理路整然たる渡瀬さんの前に、ここまで情けない東京大学OB(経済学部とのことですが)を輩出している一大学教官として、ただただ恥ずかしいばかりです。

記者:誰の名誉を棄損した認識でいるのでしょうか?

斎藤④:文書自体が外部に出ることにより、人の名誉を傷つけることになるので(中略)職員個人等々になります。

渡瀬証言:この時点(文書が表に出ていない3月27日時点)では名誉を棄損していません。

 京都大学法学部出身の渡瀬氏の状況整理に、一点の曇りもないことが明らかです。

斎藤⑤:本人も作成と一定の流布を認めているので

渡瀬証言:「流布」とは世に広まることです。10人程度の配布を流布とはいいません。そもそも、配布先、配布方法について当局に説明したことはありません。

 快刀乱麻です。

斎藤⑥:職務中に、職場のPCを使用して、事実無根の内容が多数含まれ、かつ、職員の氏名も例示しながら、ありもしないことを縷々並べた内容を作ったことを本人も認めているので(中略)名誉棄損や信用失墜、県への業務上も含めて大きなダメージを及ぼしています。

渡瀬証言:全く認めていません。

 また、名誉棄損、信用失墜、ダメージともこの時点(文書が公知されていない3月27日時点)ではないはずです。

 子供が見たって分かる、当たり前の道理です。

斎藤⑦:不満があるからといって、しかも業務時間中に、嘘八百含めて、文書を作って流す行為は公務員として失格です。

渡瀬証言:そもそも動機について当局に説明したことはありません。不満は全くありませんし・・・。

 そうでしょう、約40年を務め上げて局長まで上り詰めた人ですから、不満などあるわけがない。

 逆に、本質的な「告発の動機」を斎藤一派が捏造した事実を、自ら認める部分になっています。

渡瀬証言続き:・・・逆に片山副知事の質問には「最後の3年間、この西播磨で仕事ができて幸せでした。今の本庁で仕事をする自信はありません」と答えています。

 さあ、片山氏の実名が出てきました。もし「調書」が存在するのなら、上記の内容も含まれていなければ、整合しないことになってしまいます。

 さらに恥ずかしいことに、官僚としては致命的な言葉遣いにも問題があった。

渡瀬証言続き:・・・「嘘八百含めて」は意味不明(「嘘八百並べて」といいたかったのか?)ですが、「すべて事実無根」と聞き取れます。本当でしょうか? その根拠も(3月27日の記者会見では)不明です。

 現代日本語を扱う上で、斎藤氏に基礎学力の不足があり、年齢もキャリアも、さらには学力でも余裕で勝る渡瀬氏にたしなめられている。

 これまたなんともトホホなやり取りでした。