だが、韓国語を学ぶ高校生や大学生が増えているということは、一義的には、韓国や朝鮮半島の文化を理解する人、理解できる素地を持つ若者が増えることを意味する。これは日韓関係にとってはポジティブなことだと思う。だから、僕は日韓関係の未来を楽観的に考えている。市民同士の交流が摩擦を生むことは確かにあるが、これだけ言語を学ぶ人が増えているという現象は、ポジティブに捉えていいだろう。

 韓国語を学ぶ高校生・大学生にとっては、韓国は「憧れ」の対象ですらある。カッコいい音楽を奏で、キレのあるダンスを踊り、愛嬌のある振る舞いをする「憧れ」のK-POPアイドルが話す言語。できれば通訳越しにではなく、アイドルの話す言葉を直接理解したい。そういう切実な思いが韓国語学習のモチベーションになっているようだ。

文化を楽しむために歴史の知識は必要

 最近、学生にアンケートを取ってみた。「韓国語という言語そのもの以外に、授業ではどういうことを知りたいですか。K-POP以外では、どういうことに興味がありますか」。答えは様々だった。代表的なものを紹介してみよう。

 まず、美容やメイク、コスメ、ファッションに関心のある学生は多いようだった。お菓子やスイーツ、食文化と答えた学生もいた。女子学生ばかりなので、このあたりはやはり関心が高いのだろう。

「日本と韓国の違うところ」、あるいは「韓国人のリアル」や家庭事情など、文化・風習について知りたい学生も多かった。韓国文化についても関心が高いのだ。

 ドラマや映画、本について知りたい学生もそれなりにいた。僕のオススメをこれから紹介してあげようと思う。