写真はイメージです

 30歳にして韓国に初留学した在日コリアン3世の韓光勲(はん・かんふん)氏。留学を終えて日本に帰国した韓氏が、大学で韓国語を教えることになった。学生たちが韓国語を学ぶ理由とは。それに対して韓氏はどのような思いで教壇に立っているのか?(JBpress)

(韓光勲:ライター、社会学研究者)

「先生、写真撮るからピースして」

 僕が教えている大学での韓国語の授業中、学生から急にそう言われた。訳も分からずピースをしているところを撮られた。

 学生に聞くと、10代に人気のSNS「BeReal.」(ビーリアル)に投稿するそうだ。BeReal.とは、通知が来てから2分以内に写真を投稿するSNSである。

 学生たちは一斉にスマホを開き、思い思いの写真を撮っていた。通知は基本的に1日に1回しか来ないらしく、写真を撮らないと他の人の投稿も見れないとのこと。学生には「それは大事だね。いくらでも写真撮っていいよ」と伝えた。ある学生は「先生、優しすぎ!」とはしゃいで写真を撮っていた。

 2024年4月から、大学の非常勤講師として週に2コマ、大学1年生と2年生に「初級韓国語」と「中級韓国語」を教えている。1コマは100分だ。1クラスあたり15人ほどで、受講生はみな女子学生である。