通算で年間4週間近い祝日のある国々も
イスラエルと並んで中東のイランにも年間27日の祝日があります。両国はもともと厳しい緊張関係にあり、最近はお互いに軍事攻撃を行ったばかりです。
他のイスラムの国々と同様、イランも断食(ラマダン)明けが祝日となります。今年は4月10、11日でした。また、イラン暦の新年「ノールーズ」を祝う新年のお休みは3月20〜23日。春分の日から始まる4連休です。
「ノールーズ」はペルシャ語で「新しい日」という意味で、この日は古代ペルシャから3000年以上も祝祭日とされてきた歴史があります。「石油国有化記念日」(3月19日)もお国柄を示す祝日です。
タイとスリランカも祝日の多い国です。ともに仏教徒が多数を占めており、祝日数も同じ26日。タイでは「万仏節」「灌仏節」「仏誕節」など仏教に関するお祝いが目立ちます。一方のスリランカでは、満月の日が毎月「満月祭」として祝日になります。
満月の日は「ポヤデー」と呼ばれ、仏教徒にとってはお寺に参拝する特別な日。お寺には家族や友人たちとそろって出かけるのですが、「ポヤデー」は不浄の行いを禁じており、スリランカではどこに行っても酒類を販売してくれません。そのため、ポヤデーの前日はどこの店も酒を求める人で大にぎわいになるようです。
次にインドネシアを見てみましょう。
2億7600万人の人口を抱えるインドネシアは、国民の87%がイスラム教徒という世界最大のイスラム国です。ただし、イスラム教は国教ではありません。イスラム教徒以外にも、キリスト教(9.8%)やヒンズー教(1.6%)の人々が暮らしています。そして、祝日にはさまざまな宗教にちなんだものがあります。
3月11日のバリ島のお祭り「ニュピ祭日」は、バリ・ヒンズー教の精神修養日。イスラムのものではありませんが、インドネシアでは祝日です。
4月10〜11日にはイスラム教の「断食明け大祭」が祝日となり、5月9日には「キリスト昇天祭」を祝います。そのほかにも「回教歴新年」「ムハマッド誕生の日」というイスラム関係の祝日があり、キリスト教にちなんだ「クリスマス」も祝日になっています。
異なる宗教のお祝い日が、1つの国の祝日として同居しているケースは他にもたくさんあります。例えば、アフリカのナイジェリアでは、イスラム教のラマダン明けと、キリスト教のイースター(復活祭)が同じ4月に祝日として制定されています。