教育費に油断してはいけない(写真:StockerThings/Shutterstock)

結婚、出産、離婚、子どもの受験、親の介護…。人生100年時代に直面する様々なライフイベントを乗り越えていくために必要なのが「お金」です。ただ、日々の生活に追われていると、いざという時のための「マネープラン」を考えていないケースがほとんどではないでしょうか。

Money&You取締役でファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、40代で初めて第1子を授かったご夫婦が子どもの教育にお金をかけすぎて、自分たちの老後など、将来に不安を抱きご相談にきた事例をお話しします。(JBpress)

(高山 一恵:Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー)

(注:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください)

 今回ご相談にやってきたのは、もうすぐ50歳というアラフィフの会社員T男さんと会社員の妻R子さんです。

 T男さんとR子さんは、共に40代で結婚した晩婚カップル。数年の不妊治療を経て、T男さん44歳、R子さん43歳のときに娘さんが誕生しました。現在、娘さんは5歳、T男さんは49歳、R子さんは48歳になりました。

 やっと授かった我が子は、かわいさもひとしおで、娘さんが欲しがるものはすべて買い与え、教育にもおしみなくお金を使っていました。

 ところが、妻が娘さんの小学校受験に備えて仕事を辞めたいと言い出すなど、50歳を目前にしたT男さんの身にさまざまな問題が降りかかります。このままのペースでお金を使っていたら将来の家計は大丈夫なのかと、マネー相談にやってきました。