物価上昇に負ける年金の引き上げ率
65歳になると公的年金、企業年金、個人年金を合わせた収入が350万円超となる見込みで、住民税非課税世帯から外れることになる。「私も妻も持病があるので、それまでは住民税非課税世帯の特権をフル活用させてもらうつもり」と話した。
年金を受給し始めた世代からは、「スズメの涙の年金から税金や社会保険料が引かれるのは納得いかない」という声も聞こえてくる。現在のようなインフレ期には毎年の年金の改定率が物価上昇率や賃金上昇率に追いつかないもどかしさもあり*、この男性のような「名よりも実」の選択をする人が増えてくるのかもしれない。
*2023年の全国消費者物価指数の上昇率(生鮮食品を除く)は3.1%、2023年春季労使交渉の最終結果(連合)は平均3.58%、2024年4月分からの公的年金額の引き上げ率は2.7%
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