「山陰、四国などにも新幹線を」と議員連盟発足

 さらに言えば、その背景に住民の鉄道事業者に対する不信が生まれているように思われる。新幹線の建設は、九州新幹線長崎ルートのほかに、北海道新幹線の札幌延伸工事も進められている。現在は工事がとん挫しかけている中央リニア新幹線もあり、さらなる新幹線の建設が、国政の場などで検討される日が来ることもあるだろう。

 自民党の議員連盟が「全国新幹線ネットワーク整備財源を考える会」を立ち上げ、山陰、四国などに新幹線を建設する計画を進めてゆくことを確認したのは、この11月2日のことであった。

 そのような動きを円滑に進めてゆくためにも、今一度、新幹線の建設意義、運営の形を再確認しておく必要があるはずだ。

 東海道新幹線の開業直後に「新幹線を東京と大阪の間以外の所に作ったら大変なことになる」と語ったのは、ほかならない新幹線の誕生させた十河だったとされる。

 この言葉が、安易な新幹線の延長が巨額の赤字を生み出すという意味だけではなく、日本の社会の在り方を根底から覆してしまう、という意味だと解釈するのは、穿ち過ぎというものだろうか?