2018年5月に開かれた自民党安倍派(当時は細田派)の政治資金パーティ(写真:共同通信社)

 政治献金のあり方に関して厳しい目が向けられている。今国会の主要なテーマは政治改革になっており、野党は現状では認められている政党や支部への献金、政治資金パーティーなどを許さないという方向で議論を展開していくことが予想される。

 そもそも政治献金とは何のためにあり、いかに使われているのか。政治献金がなくなると、どのような問題が起こる可能性があるのか。主権者教育(政治教育)を普及・発展させる「けんみん会議」のメンバー 原口和徳氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)

──原口さんは2020年に、海外と日本の政治献金(寄附)におけるシステムの違いについて記事を書かれています。海外では政治献金は認められているのでしょうか?

原口和徳氏(以下、原口):政治献金は多くの国で認められています。ただ、献金をする際に、どのような制限がかかるのかは国によってシステムが異なります。

「匿名での献金が禁止されているかどうか」「公営企業からの献金が禁止されているかどうか」「外国からの献金が禁止されているかどうか」という3つの観点で、OECD(経済協力開発機構)は29カ国を対象に調査した結果をまとめています。

 この中で、3つの項目をすべて規制しているのは14カ国でした。日本はというと、匿名の献金だけが許されています。


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 この他に、政治献金という点で各国を比較した時に見えてくる違いとして、政党等の政治活動の費用がどれだけ公的なお金でまかなわれているかという点もあります(次ページ図表3)。