各局が、番組編成上の都合だとか、他局が報道特番を終わらせていたからだとか、そんな理由を対外的に明らかにすることはありません。ただ、番組とともにCMが飛んでしまうと売り上げに打撃を与えてしまうので、早く通常モードに戻したい営利企業としての立場もあります。報道機関の使命と営利を天秤にかけて、どちらに傾くのか・・・今回の復帰のタイミングが分かれたのは興味深いことでした。

そもそも「特番」とは何か?

 さて、地震による報道特番によって、休止・延期を余儀なくされた正月特番もありましたが、そもそも、特番とは何でしょうか? 今回は、私たちが視聴者としてよく目にするバラエティーやスペシャルドラマなど、特番の裏事情について考えてみます。

 放送局は何曜日の何時に何の番組を放送するという「基本編成表」があります。特番は、「基本編成表」に沿っていない特別に編成された番組です。また、特番と呼ばないまでも、スポーツ中継や通常番組の拡大版など、レギュラー番組とは異なる番組が編成されることはよくあります。

 本来、特番は、4月と10月の番組改編期や年末年始のような時期に多く編成されてきました。ただ、最近、それ以外の時期にも、プライムタイム(午後7時から11時)の番組が、2時間か3時間の「スペシャルばかりになっている」と感じている人は多いのではないでしょうか。

 連続性が大事なドラマは簡単に休止にするわけにはいきませんが、バラエティーは隔週でも違和感がない前提で、2時間の拡大版にして翌週は休止にするというパターンがよく見られます。その結果、ドラマ枠はそのままにして、それ以外の時間帯をつなげて2時間、3時間の特番が頻発しています。

正月が終わっても「正月モード」

 実際に1月17日(水)の民放の番組を見てみましょう。

  • 『上田と女が吠える夜・新春3時間SP』(日本テレビ、午後7時~10時)
  • 『朝メシまで。SP』(テレビ朝日、午後7時~9時)
  • 『東大王SP』(TBS、午後7時~9時)
  • 『ワンコイン温泉はしご対決旅』(テレビ東京、午後6時25分~9時)
  • 『何だコレ!?ミステリー』(フジテレビ、午後7時~9時)