米グーグル ピチャイCEO米グーグルのピチャイCEO。インド工科大学は優秀な人材を送り出している(写真:CQ Roll Call/ニューズコム/共同通信イメージズ)

(山中 俊之:著述家/国際公共政策博士)

>>妙にかわいらしいテルグ文字の写真

 今月初め、インドの南部に位置するハイデラバードで開催された、ビジネスリーダー育成に関連する国際会議に出席した。100人の出席者の8割以上はインド人で、その他の大半が東南アジアを中心とするアジアからの出席者であった。

 欧州からの数少ない参加者として、ロシアの出席者も2人いた。

 ロシアからの参加者は、「(ウクライナ侵攻によって)ロシア人がビザを取ることが難しくなっているが、インドとの関係は良好なのでビザの取得に問題はない」と語っていたことが印象に残る。

 インドは、歴史的にロシアとの関係が良好である。ロシアのウクライナ侵攻に対しても、西側諸国とは一線を画し厳しい批判はしていない。多くの兵器をロシアから購入しているインドにとって、ロシアを丁重に扱うことは当然だ。ロシア人へのビザの発給も厳しくはしていない。

 ビジネス関連であっても、国際会議の出席者の国籍には国際政治が反映される。必ずしも反ロシアではない東南アジアからの出席者が多かったことを含め、グローバルサウスのリーダーとしての立ち位置、重みを感じる機会となった。

 インド中南部に位置するハイデラバードは、周辺都市圏を含めると、約930万人の人口を誇る。インドの都市では、ムンバイ、デリー、コルカタ、チェンナイ、バンガロールに次ぎ第6位の規模だ。

 テランガーナ州の州都であり、言語はテルグ語である。テルグ語は、南部ドラヴィタ系の言語に属する。ハート型などを含む可愛い文字が特徴だ。

テルグ語テルグ文字で書かれた"Telugu”(画像:Psiĥedelisto, Public domain, via Wikimedia Commons)

 インドは州ごとに州公用語があり、文字も違うので、州を越えて移動すると看板も読めない。インドのお札には、公用語であるヒンディー語に加えて、15の州の公用語で金額が記載されている。

 このように、インドでは州をまたぐと家族と話す母語は通じないため、英語で会話をする必要があるが、英語を十分に使いこなせるだけの教育を受けている層は一部に限られる。