ルートヴィヒⅡ世のネオンサイン:AIは旬の内に活用すべし

筆者による「東京大学」「基礎研究」などのプロンプトによるFirefly出力例

 やや内容が難しくなりました。画像生成AIの具体例に戻りましょう。

「東京大学」「基礎研究」などのプロンプト・タームを入れたところ、一体何を学習しているのか、上のような画像出力例がありました。

 たぶん、このような出力イメージに重なるものが、世間全体の集合的無意識の中にある「東大」であり「基礎研究」なりの一部なのでしょう。

 しかし、実際に大学で仕事している側としては、かなり当惑させられる代物であるのは間違いありません。

 だからといって、この絵の出力結果に対して、誰に何のクレームを出すこともできない。

 学習したデータがこのように偏っている状態をAI倫理では「アルゴリズミック・バイアス」問題と呼んでいます。

 学習内容によっては極めて陳腐なステレオタイプを出力するだけで、およそ望ましい結果が出てくることを「生成AI」は一切保証してくれない。

 先ほども記したように私自身、専門書に使うイラストが出てこないか、幾度か試行錯誤しました。

 しかし、およそ望ましい出力がなく、そのうちに「クレジット」を使い果たしてしまいました。

 今後、10年20年と経過すると「いかにも生成AIで出力しました!」風の画調は、コストを節約した陳腐なものの典型として見られる時期がやってくるでしょう。