日本の大学の地盤沈下を止めなければならない(写真は米スタンフォード大学)

 先日、国際卓越研究大学選考で、東北大学が唯一選ばれ、東京大学以下が軒並み「浪人」した経緯を記しました。

 東大に関しては「デザインスクール」が目玉だったはずでしたが、残念ながら統一的なデザインコンセプトは見えず、なぜ2023年にそれで世界に打って出て勝算があるのか、といった具体的な内容も不明でした。

 つまるところ、エッジの立った提案になっていないことを客観的な観点から、また「バウハウス」や「東京美術学校」など内外過去の具体的事例も引きながら、丁寧に解説しました。

 今回はその延長で「教育」や「国際性」などの観点から内外の「大学ランキング」を検討してみたいと思います。

 英国の教育専門雑誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」はここ20年来、国際的な大学のランキングを発表して、一定の影響力をもつようになりました。

 特に、2017年からはベネッセ・コーポレーションの協力を得て「THE 日本大学ランキング」というものも発表するようになっています。

 この「日本大学ランキング」を見てみると、総合大学ランキングでは過去4年連続して、やはり東北大学がトップでした。

 以下、東大、阪大、東工大、京大・・・とトップテンは9位まで国立大学が続き、第10位に国際基督教大学がランクイン、実は民間の調査でも「東大一強」の形成はコロナ前から崩れていたことが分かります。

「大学ランキング」の読み方、見方

 大学ランキングに限らず「格付け」というのは、格付け機関が最も強く力を持ち、その内容に一喜一憂するのは意味のないことです。

 受験勉強で考えれば「模試」みたいなもので、模試の成績が良くても本番に通ると限らないし、受験だけ合格してもその後の人生で充実した成功を収める何の保証にもならない。

 でも、少なくとも「模試」は「その時点での弱点」を示している可能性がありますから、参考にして精進努力する「自己チェック」に用いるのが賢明でしょう。

 そういう観点から「日本大学ランキング」を見ると、過去7年間、

東北大学:2位→3位→3位→1位→1位→1位→1位と独走態勢に入っている。