9月13日、アドビは画像生成AI「Firefly」を正式リリースしました。
アクロバットやイラストレーター、フォトショップなど、アドビ製品を使っている方ならご自分のアカウントで無料利用できます。私もさっそく試してみたのが冒頭の図です。
「楽しい生活」「素敵なお家」「犬」など、好きなプロンプト・ワードを入力してみたところ左のような出力。
私は、犬はお利口な子が好きなので、プロンプトの中で「犬」だけを「賢い犬」に置き換えてみました。
結果的に右の絵が出てきました。リリース初期ということもあるのでしょうが、個性的な感受性を持っている面もあるようです。
ただの「犬」のほうが賢そうに見えました。
とまあ、こんなアクシデントもある、現在ごく初期状態にある「画像生成AI」について、原理的な問題、特にAI倫理の観点から考えてみたいと思います。
「Firefly」のケーススタディ
国内ユーザの観点から見ると、「Adobe Firefly」の圧倒的利点は、日本語のプロンプト、鍵語入力に対応していることでしょう。
加えて、パブリックドメインの画像などを中心に学習しているため商用の利用が可能なことを売りにしている。
生成されるコンテンツには、コンテンツの名前、日付、作成に使われたツールなどをメタデータとして「コンテンツクレデンシャル」を付与、権利問題をクリアし、ビジネス・クリエイティブの現場に入って行こうという同社の姿勢が強く感ぜられます。
実際に使ってみて第一に思ったこと。何も脳裏にイメージがない時は、意表を突く画像で面白い道具だな、と感じました。
他方、そこそこイメージを持ってプロンプトを入力すると、思った通りのものはまず出てきません。
ちょうどいま仕事で準備しなければならない、8割がたイメージが決まった絵を描かせようとしてみても、まず気に入ったものは出てこない。
それであれこれ試行錯誤するうち、付与されていた「クレジット」が尽きてしまい、沙汰止みとなりました。