日本のSFアニメ作品には、巨大ロボット兵器の戦闘シーンが不可欠だが、実際の戦争もまた、SFアニメで描かれるような巨大人型機動兵器の衝突になっていくのか。現実世界の安全保障の研究者は、SFアニメを見て何を思うのか。『SFアニメと戦争』(辰巳出版)を上梓した、SFアニメファンとしても知られる、防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)
──この本を読むと、高橋さんが、いかにSFアニメが好きなのかよく伝わります。
高橋杉雄氏(以下、高橋):おそらく『宇宙戦艦ヤマト』から、SFアニメとの付き合いは始まっていると思います。あの番組は『アルプスの少女ハイジ』と同じ時間に放送していました。物心あるかないかの頃ですが、私はハイジではなくヤマトのほうを見ていたようです。
それから、当時のヒーロー・ロボット・アニメ『超電磁ロボ コン・バトラーV』や『超電磁マシーン ボルテスV』なども見ていました。『機動戦士ガンダム』は再放送からですね。それが、小学校の3年生とか4年生あたりだったと記憶しています。そこから、どんどんはまっていきました。
当時は、夕方の番組枠にSFロボットアニメが放送されていました。『蒼き流星SPTレイズナー』なども見ていましたし、中学生になると、土曜の夕方に『機動戦士Zガンダム』が放送されるようになったので、それも見るようになった。
その頃になると、ビデオデッキが家に入って、録画して鑑賞するようになっていましたね。
──録画したビデオテープを積んでいたわけですね。
高橋:そうです。自分で作品のタイトルをラベルに書いて貼っていました。
──『宇宙戦艦ヤマト』と『機動戦士ガンダム』が、日本のSFアニメのあり方を変えたと書かれています。