ウクライナ軍も対人バタフライ地雷を使用

 ロシア軍がハルキウ州イジュームを占領していた時、ウクライナ軍が数千個の空中散布式対人地雷PFM(通称・バタフライ地雷)を使用したとみられる疑惑が今年1月、HRWの調査で浮上した。

ソ連軍が使用していた空中散布型の対人地雷PFM-1、通称「バタフライ地雷」(Juergen Lumpp, CC BY-SA 2.5, ウィキメディア・コモンズ経由で)

 地元の医療従事者によると、ロシア軍占領中から解放後にかけて、対人地雷で負傷したとみられる民間人約50人(少なくとも5人の子どもを含む)が治療を受けた。負傷者の約半数は、足または下肢を切断したという。

 HRWのスタッフはイジュームで金属製カセットの残骸を発見。この金属製カセットは地雷敷設ロケットランチャー「ウラガン」によるPFMの運搬に使用される。この方法で一度に312個のPFMをばらまける。

 HRW武器部門ディレクターのスティーブ・グース氏は「ウクライナ軍はイジューム一帯に広範囲に地雷を散布し、民間人に犠牲者を出して継続的なリスクを生じさせているとみられる」と報告している。