えちごトキめき鉄道の運営でJR大糸線は生き残れる

鳥塚氏:大糸線を、えちごトキめき鉄道が運営することで、効率の良い運転、魅力ある列車の運転ができれば、今は長野県側が入り口になっている妙高高原という観光地に、新潟県側からも入ってくれるようになります。

 もしも、観光輸送に特化するのであれば、この路線を特定目的鉄道として冬季の運転を取りやめるという選択肢もあるでしょう。すると、今は路線の運営の大きな負担となっている除雪のための費用がゼロになりますから、収支が大幅に改善します。

 大糸線を廃止する必要などありません。十分に運営が可能な路線になります。

鳥塚亮(とりづか・あきら)氏 1960年生まれ東京都出身。元ブリティッシュ・エアウェイズ旅客運航部長。2009年に公募で千葉県のいすみ鉄道代表取締役社長に就任。ムーミン列車、昭和の国鉄形ディーゼルカー、訓練費用自己負担による自社養成乗務員運転士の募集、レストラン列車などをプロデュースし、いすみ鉄道を一躍全国区にし、地方創生に貢献。2019年9月、新潟県の第三セクターえちごトキめき鉄道社長に就任。NPO法人「おいしいローカル線をつくる会」顧問

——新潟県には、もう一つ、北越急行という第三セクター鉄道があって、これもえちごトキめき鉄道が運営すると良いのではないかということも言われ続けてきました。

鳥塚氏:現状では、越後湯沢と六日町の間がJR、六日町から犀潟の間が北越急行、犀潟から直江津の間がJR、直江津から上越妙高まではえちごトキめき鉄道と運営主体が分かれています。これは一本化しなければダメでしょう。

 えちごトキめき鉄道と一体化するかどうかは置いておいても、北越急行と越後湯沢―六日町、犀潟―直江津は一本化しないといけないと思います。