栃の心(右)と貴景勝。写真は2019年川崎場所のときのもの(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 何とか来場所こそ綱取りを成し遂げてほしい。大相撲初場所(東京・両国国技館)で3回目の優勝を果たした大関貴景勝に対し、そう願う人は多いのではないだろうか。

 125年ぶりに1横綱1大関となる中、横綱照ノ富士が全休となった場所で、ただ1人の大関として出場力士最高位の貫録を示した。千秋楽の結びで東前頭13枚目・琴勝峰との相星決戦をすくい投げで制し、2020年11月場所以来の賜杯を手にした。

稀勢の里以来となる「日本出身横綱」への期待

 結果は12勝3敗。昨年11月・九州場所では三つ巴の優勝決定戦で敗れ、涙を飲んだものの12勝3敗で優勝同点の星勘定となっていた。今場所も高いレベルで優勝すれば横綱昇進の可能性が大きく広がるところだったが、12日目に連敗で3敗目を喫した時点で完全に消滅した。

 千秋楽翌日の23日に両国国技館内で開かれた横綱審議委員会に出席した高村正彦委員長は次の春場所(3月12日初日・大阪エディオンアリーナ)に臨む貴景勝の立場について最後まで「綱取り」を明言しなかった。しかしながら平幕の4場所連続優勝を阻んでの初場所Vには「ハイレベルとは言えないが重圧を感謝と喜びに変えて、大関の責任をしっかり果たした」と大きく賛辞を送っていた。

 ここまで貴景勝は2場所連続で12勝3敗の好成績を残しており、先場所は優勝同点、そして今場所は13場所ぶり3回目の幕内最高優勝を飾っている。横綱昇進の内規が「2場所連続Vかそれに準じる成績」であることを鑑みれば、たとえ横審から明言されなくても貴景勝にとって次の春場所は必然的に綱取り場所となるはずだ。