体の大きい力士がぶつかり合う大相撲には規格外のビッグサイズが存在する。そんな大相撲史を彩る巨漢力士を2回に分けて紹介する。今回の長身力士編(関取以上)では、プロレスの故ジャイアント馬場を上回る力士がずらりと並ぶ。
(長山 聡:大相撲ジャーナル編集長)
“関取の 乳のあたりに 人だかり”との川柳も
江戸から明治時代ぐらいまでは、人並み外れた大きな若者の多くは角界入りを選択した。“関取の 乳のあたりに 人だかり”(明和2年)など、力士の大きさを表現した川柳も数多い。
戦後、日本人の体格は著しく向上し、平均身長は増加の一途をたどったが、昨今ではスポーツの多様化などもあり、飛び抜けた長身力士は存在しない。プロ野球などを含め、多くのスポーツ選手が近年大型化する中、大相撲は昭和50年代ぐらいから現在までの50年近く、ほとんど幕内の平均身長が変わっていないのが実情だ。
昭和40年代以降で、2mを超えた幕内力士はわずかに2人。それもハワイ出身の曙(204cm)とブルガリア出身の琴欧州(202cm)で、いずれも外国出身だ。ちなみに現在の相撲界で一番身長が高いのは、200cmの十両北青鵬。出身は北海道となっているが、モンゴルで生まれ、5歳の時に札幌に移住している。