政治的な決着による「切り捨て」が建設の条件
しかし、新幹線の建設が進んだいまもなお、建設コスト、維持コストの負担についての明確な解法は見つけられておらず、併せて新幹線の開通後に並行する在来線をどのような形で維持するのかという問題も生まれてきた。
国の見解はシンプルで、並行する在来線を第三セクター鉄道に転換することだった。
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新幹線が開通すれば、並行する在来線の価値は下がり、輸送需要も減少する可能性が高い。
もとより、国鉄・JRの地方の路線は、それが「本線」を名乗っていても経営は赤字で、運営は楽ではなかったはずだ。それでも営業成績がさらに下がるだろうことを承知の上で、第三セクター鉄道という、いわば「地方」に押し付けたのである。
そのような政治的な決着による「切り捨て」を実施することが、新幹線建設の条件とされたのである。
新幹線を建設する意義とは何だろう?