落下したとみられる氷塊がテニスコートに

 一般に航空機の進入角は3.0度が標準で、3.45度の進入は世界の大空港で例がない。IATA(国際航空運送協会)や世界のパイロットを組織するIFALPA(国際定期航空操縦士協会連合会)も国土交通省に安全上の懸念があると申し入れをしている。

 3.45度のRNAV進入の導入経緯には、米国側から横田区域との関連で条件をつけられたことが理由にあるとみられる。ANAが社員に説明した社内文書にもはっきりとそのことが記述されている。

 詳しくは拙著『パイロットは知っている 羽田増便・都心低空飛行が危険なこれだけの理由』(合同出版)を参照いただきたい。

 都心ルートで心配されていた航空機からとみられる氷塊の落下が今年2022年3月13日に渋谷区のテニスコートで目撃され、証拠写真も撮られた(航空機から落下した可能性について国交省の担当者は「極めて低い」と答えている)。

 航空機の出発地が雨や雪の状態で車輪などに付着した水分が上空で冷やされ、氷塊となって目的地の進入時に車輪を下ろすときなどに落下することがある。

 それはつまり自然現象を伴うので現在の航空技術では防ぎようもない。実際これまでも成田空港周辺では何度も発生し、農家の被害も出ているので、国交省もパイロットに進入時には手前の海上で車輪を出すよう通達してきた経緯がある。

 ちなみに羽田空港では海上ルートであったため、これまで氷塊は海に落下し、発見されなかっただけである。

 これらの理由から一部国会議員が国交省に対してヒアリングを実施し、テニスコートでの氷塊落下について調査を求めた。