国葬問題同様、一度決めたものは撤回しないのか

 空港近くで急旋回と急降下を伴う進入は大型の航空機にとって危険極まりなく、狭い空域での同時進入はニアミスを多発させる。パイロットの立場から言えば航空機を安定させて着陸させるには、周回進入を除き着陸前に直線部分が必要で、高度も1000フィートは欠かせない。現在出されている案ではそれらを満足させていない。

 報道によると新たなルートは2023年度中に方針をまとめるというが、ゲーム感覚で机上の空論のような案を作成しても世界の航空会社やパイロットから物笑いになるだけであろう。

 1年ぶりに開催された2022年8月3日の検討会でも今後検討すべき課題を示しただけで、次回いつ開催されるかも不明のままである。

 この一連の流れを見ると検討会になるものは明らかに時間稼ぎが目的としか考えられない。

 だが、時間稼ぎという行為は一般的には何か目的があってのことであるが、国は一体何を考えてのことであろうか?

 長い間、「国際線は成田、国内線は羽田」としてきた航空行政をなし崩し的に変えて羽田に国際線の主力路線を誘致してきた理由に、首都圏にIR(カジノを含む統合型リゾート)があるという見方もあるが、最近の状況では東京、神奈川、千葉ではその実現性も低くなっている。つまり都心ルートを強行している理由がますます見えてこないのである。

 岸田政権でも安倍政権同様、一度決めたらその後、国民の反対が大きくなっても、また説明に矛盾が出てきても絶対に撤回しないという政治は変わらないようだ。都心ルートも当初の大義名分がなくなっても撤回しないのだ。