「御用」識者によるルート固定化回避の検討会

 それに対して航空局の責任者は調査を約束したが、翌日になって一転、本省がそれを撤回するという異常な対応を行ったのである。

 調査をすれば当該便の特定や出発時の気象状態がわかり、氷塊かどうかも簡単にわかるはずだ。しかし、氷塊と判明すれば都民の人命や家屋、自動車などの被害に直結しかねないので調査自体を拒否したのであろう。

 このようにおよそ科学を否定する今の国土交通省には航空行政を任せて良いものか不安を覚えるのである。

 2020年3月末から始まった都心ルートに対し住民や自治体から苦情が多く寄せられたこともあり、国交省は同年夏にルートの固定化回避に向けての検討会を立ち上げた。

 だが運用が開始されてすぐに検討会を行うということは、運用前の準備や検討が不十分であったことを物語っている。

 この検討会は航空会社からの役職パイロットや有識者なるメンバーで構成され、都心ルートに異議を持つ人間は1人も入っていない。

 そしてそこで議論されているのも机上の空論のような進入方式で、見直し案は1年前の2021年8月に示したものの、後で具体化する作業もなく会合は1年間開催されなかった。

 増便対策と銘打ったルートであれば、並行している2本の滑走路を使った同時進入でなければ何の意味を持たない(増便効果がない)が、安全に同時進入させる方法を明らかにするチャートあるいは図案も示されないままだ。