遺族の要望とは落差ある求刑

 2年前のホワイトデーに、東京都葛飾区四つ木5の国道6号で発生したこの事故については、昨年11月、以下の記事で取り上げました。

【参考】〈「青信号で横断した娘がなぜ」愛娘の遺体と撮った最後の家族写真 信号無視で罪なき愛娘の命奪った運転手、その不誠実さに遺族憤怒〉https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67712

 第4回公判のこの日は、耀子さんと共に青信号の横断歩道を横断中、被告の軽ワゴン車にはねられ、自らも重傷を負った父親の波多野暁生さん(44)も、最愛の娘を奪われた遺族としての心情と高久被告への怒りを約25分にわたって述べました。

 そして最後に、

「今後、この様な事件を再発させてはならない、という予防的な意味も込めて、過去の判例や量刑相場に捕らわれることなく、現行法上の最大限の刑罰である懲役20年に処して頂きますようにお願いいたします」

 と、くくりました。

 その後、検察官、被害者参加代理人弁護士による論告、そして被告側の弁護人による弁論が行われ、刑事裁判は結審。

 検察側の求刑は「懲役7年6月」。被告側の意見は「5年以下の刑が相当」というものでした。

事故現場(筆者撮影)