(花園 祐:中国・上海在住ジャーナリスト)
2000年前後の頃、当時、裏社会をテーマにした小説やルポでは、ほぼ必ずと言っていいほど中国人マフィアが登場していました。たとえば、金城武氏主演で映画化もされた「不夜城」をはじめとする、馳星周氏の歌舞伎町を舞台にした小説では、ほぼ確実に中国人マフィアが抗争に絡んでいました。実際に、その激しい暴力性や裏社会での存在感の高まりに対し、日本の警察のみならずヤクザも強い警戒心を抱いていたといいます。
しかし時代が下った現在、あれだけ存在感を放っていた中国人マフィアの話をほとんど聞かなくなりました。中国人マフィアが登場する小説や映画も目にしません。
いったい彼らはどこへ消えてしまったのか。日本から消えた中国人マフィアについて、今回はその現況を追ってみました。
なお、本稿で記述する「中国人マフィア」とは、中国出身者により構成される反社会団体を指します。在日中国人子弟などにより構成される日本国内の半グレ集団は対象に含みません。