また、もう一人の被害者参加代理人・上谷さくら弁護士は、論告の最後に、裁判員に向かってこう訴えました。
「被害者は、判決に書かれた一言一言の意味を深く考えます。判決に書かれた一言で、その後の人生が救われることもあれば、一生を台無しにする程のダメージを受けることもあります。過去に『判決文が二次被害だ』と言った人もいました。私がこれまでに述べた事情については、特に慎重に考えて言葉を選んでいただきたいと思います。
耀子さんの名前には〈光〉という字が入っています。その名の通り、これからもっと光り輝く人生が待っていたでしょう。(中略)ご遺族は、そんな耀子さんの成長を見守ることができなくなりました。今日は耀子さんの三回忌です。ご命日に、ご両親は裁判に出席し、意見陳述を行いました。皆様、どのようなお気持ちで聴かれたでしょうか。耀子さんは、どんな気持ちで、天国からこの法廷を見ているでしょうか」
裁判員と裁判官の判断に託す遺族の願い
暁生さんはこの論告を聞いたとき、改めて涙がにじんだと言います。
「裁判員裁判においては、稀に求刑より重い判決が下されることもあると聞きます。今回の事件の悪質性と、その後の高久被告の非常識極まりない対応に鑑みて、裁判員と裁判官が新しい判断を下してくれることを祈るばかりです」