3年前、仲澤勝美さんが亡くなった静岡県三島市の事故現場に献花する遺族(遺族提供)

(柳原 三佳・ノンフィクション作家)

 1月24日、川崎市宮前区で乗用車が対向車線に飛び出し、自転車に乗っていた3歳の男の子ら3人が死傷するという痛ましい事故が発生しました。

 乗用車を運転していた女性(50)は、「車内に乗せていたペットのインコに気を取られていた」と供述しているそうです。

 真実についてはさらに捜査が進まなければわかりませんが、前を見て運転していれば起こりえない事故です。

 時速40キロの場合、1秒目をそらしただけで、車は11.11メートル進みます。「ながら運転」がいかに危険であるかを痛感します。

 一瞬で起こる交通事故は、被害者と家族の人生を大きく狂わせ、その悲しみは時間が経っても癒えることはありません。ニュースで事故の第一報が報じられてから、遺族はその後、どのような苦しみの中に身を置いているのか・・・。

 今回は、発生から3年目を迎えた、ある死亡事故のその後についてご紹介したいと思います。

「被害者」なのに「加害者」として扱われた亡き父の無念

 2019年1月22日、静岡県三島市の交差点で、乗用車と原付スクーターが衝突し、スクーターの男性が死亡する事故が発生しました。

 この事故について、私が初めて書いた記事は以下でした。

「事故死した父の走行ルートが違う! 誤った捜査と報道を覆した家族の執念」(柳原三佳 Yahoo!ニュース個人 2019.6.3)
https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagiharamika/20190603-00128353

事故現場となった三島市の交差点(遺族提供)