父の裁判の後、静岡県警は「ながらスマホ」が刑罰に大きく関わることを指導したり、事故現場の診断をしたりして、出来る限りの再発防止対策をしてくださいました。その後、あの交差点では事故が起きていないと聞いて嬉しく思っています。

 今後、国民が「警察は信頼できる!」と思えるような、公平で慎重な捜査をしていただきたいです。

事故から3年で自賠責がようやく

 事故後、大黒柱だった父の収入がなくなり、私たちはたちまち困窮してしまいました。事故から3年たちましたが、損害賠償に関してはほとんど手付かずで、最近になってようやく自賠責保険が支払われたという状況です。

 事故直後、加害者側が加入していたJA共済(*自動車保険)からは、『車が直進している時に仲澤様が対向車線を右折してきて衝突したのですから、仮渡金などの対応は不可能です』と言われて、一切対応してもらえませんでした。

 保険の担当者も、当初は私たち遺族の疑問に耳も貸さず、加害者の言い分をうのみにして、父が右折をしたと一方的に決め付けていたのです。

 母は将来を悲観して、死にたいと泣いていました。

 ところが、いざ父に過失がなかった可能性が大になると、今度は、「刑事裁判の結果をみないと判断できません」と言われ、つい最近まで手続きは止まったままだったのです。本当に理不尽だと思います。

 加害者の虚偽供述と誤捜査によって自賠責保険すら支払われず、こうした苦境に立たされる遺族もいるということをぜひ知っていただきたいと思います。民事裁判はこれから提訴する予定です。