父の側の信号が青で、父は被害者であることが明らかになっても、起訴までに1年以上かかり、なかなか刑事裁判が始まらず苦しみました。

 また、加害者の赤信号無視によるこの事故が、単なる過失運転致死罪としか扱われなかったこと、そして、懲役3年執行猶予5年という判決になったことは、今も納得がいかないし、無念でなりません。でも、父の名誉は守ることができたと思っています。

遺族は加害者に実刑の厳罰を求め、市民に署名協力を訴えた。だが刑事裁判では昨年3月、執行猶予付きの有罪判決が確定した(遺族提供)

警察の初動捜査に思うこと

 被害者が死亡するような重大事故が起きたとき、警察には速やかにスマホを押収して欲しいと思います。父の事故のときはそれがなされていませんでしたので、なぜ信号を見落としたのかは、今もわからないままです。

 その他にも、ドライブレコーダーの重要性や、カーナビの解析で事故の真実が分かるかもしれないということはもっと広く知られた方が良いと思っています。

〈編集部註:参照記事 「加害者の嘘を暴いた『カーナビ』に残った走行データ」(柳原三佳 JBpress 2021.1.21)〉
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63755