事故は一瞬でも、亡くなった人は戻って来ません。そして、怒りと悲しみの感情は一生消えることはありません。

 だからこそ、この事故の本当の原因は何だったのか? このような事故が起きないためにはどうしたらよいかを常に考え、行動に移してきたように思います。

事故の目撃者に情報提供を訴えるチラシ。右の余白には遺族のメッセージが書かれている(遺族提供)

事故後の二次被害、三次被害に苦しめられて

 私たちは、愛する家族を突然亡くすという苦しみだけではなく、その後の深刻な二次被害、三次被害を経験しました。おそらく、私たちと同じ思いをされた被害者遺族は大勢おられることでしょう。

 加害者による事実と異なる供述、それをもとにした事実と異なる初動の捜査や報道、そして保険会社の対応、ネット上でのいわれのない中傷は、本当に辛かったです。

 それでも、目撃情報集め、署名活動など、行動を続けることができたのは、父の名誉のため、家族のためもありますが、協力してくださった方々、同じ思いをされた交通事故遺族の方々、そして、この事故を報じてくださった報道各社、今も見守ってくださる皆さまのお陰だと感謝しています。

 とても勇気づけられ、心の支えとなりました。